オス猫はもうすでに元気に回復。
しかしここまでの時の流れで毎日顔を合わせているもんだから、人間の自分にも心を許す素振りが見えるようになってきました。
ある日いつものようにオス猫に外に出るよう促したとき、
ああ、あの時、
ベランダで そのオス猫が少し離れた位置に座り、私をじぃっと見つめて
「どうしてあの子は良くて、僕はだめなの?
僕はここにいたらだめなの?」
と、訴えるような眼差しに私は射抜かれもう降参したのです。
朝方の日差しに目を宝石のように輝かせた美しい毛並みのキーマそっくりな子。
あの時の なんとも言えないオス猫の表情は忘れることができない。
それ以来ずーっと一緒に今までなんとかやってきました。
オス猫の名はハチベエと申します。
あまりにもちゃっかりと うっかりと うちに溶け込んだから、ちゃっかり八兵衛。
そして今日の今日までハチベエは キーマを守ることが自分の使命であるように 家の中、家の周りのパトロールを怠りません。
今でこそ、人間の自分の近くで一緒に寛いだり、眠ったりしていますが、
当初ハチベエは決死の覚悟で、
キーマと一緒にいたいが為に、超絶コワイ人間(私)に近づき、何日もかけて頑張って恐怖心に打ち勝ってきたのです。