猫のこと 8


f:id:minojix:20201023123429j:image膝乗り猫。

 

 

 

 去勢手術へ連れてゆくため捕獲せねば、という思いから自分はオス猫との距離を縮めるべくオス猫用のご飯をキャリーケースの中に置いて

何度かそこで食べさせ慣らせるという作戦決行。

 

キーマが大好きな猫。私のことは苦手、超苦手。人間がコワイんだな。

 

自分は何度かキーマとその猫を見間違えていることもあったくらい、2匹は似ていた。

 

ある早朝、去勢手術予定日、

ここまでくるのに、私が多少近づいても逃げない程度になるまで2ヶ月。

 初めてあのオス猫を見てから2ヶ月経った2016年の10月のある日、

オス猫がキャリーケースの中のご飯食べようと入る(手術日当日だから ほんの一口くらいの分量しか入ってない小皿をおいていた)。

自分そのままそーーーーっとキャリーケースの扉を閉める。そして獣医のもとへ。

オス猫は 大声で鳴く。自分、汗だく。

 

 手術終了後、眠るオス猫を部屋の隅のクッションの上に横たわらせ、

心配であったが、2匹共に仲良いし大丈夫、

と自分にいい聞かせて、まだ寝ているキーマと、 麻酔で眠るオス猫そのまま2匹を置いて仕事場へ行った。

 

 

仕事終わり次第戻って見ると、

そこには 胸が締め付けられるほどの穏やかな 優しい空気が満ち溢れていた。

キーマと 目の覚めたオス猫が並んで窓の外を一緒に眺めている、その窓からは夕日が差し込み、金色の優しい光が2匹を包んでいた。

 

 

きっとキーマが この猫を麻酔から覚めるのを見守っていてくれたんだな、介抱してあげてたんだろうな。とそう思わせる空気が漂っていた。

 

でも自分はまだ オス猫が元気になったら もう家には入れないという考えでいた。

2匹もお世話できないから。