母と子のお話。
その子供は大人になればなるほどに、自分の母の言動が、
子に対してするものではない程の異常さであることがわかるようになってくる。
なぜなら、自分だったらそんなことしないし言わないような非常な言動を平気でするから。
虐待の域に達しているんだけど、それでも子は耐える。
まさか自分が虐待されているなどと認めず、
むしろそんな母をかばって守る。
今でも子は虐待されたなどとは思ってもいない。
子はどんな母親でも一心に愛する。
身を呈しても母を守る。
異常な言動にさらされて、愛されずとも、子は母を愛する。
そんな子が大人になると 愛のない母を救おうと、
色んなアドヴァイスを優しく母に聞かせる。
それでも母のその子に対する冷酷な仕打ちは変わらない。
子が30歳を超えて、母が統合失調症と診断される。
そんなこんなで何年もの月日が経ち、
ようやく子は悟る。自分には母を救う手立てがもうない。自分にはこの人を救うことが出来ないと。
むしろますます母の異常な冷酷すぎる言動が子を蝕み、子は限界を迎える。
この異常な冷酷さはこの子にだけに向けられる。
それでは子は身も心も持たない。
第三者には当たり前のように母の言うことが正しい。と認識され、
むしろ子が親不孝と決定づけられる。
母の声のほうがより威力を持って他を納得させるから。
母の愛は偉大だ。という全世界で圧倒的に知らしめる、この認識のせいで、
子の「助けて。」という叫びは誰にも届かない。
子は限界を感じて以来、もう母とは会っていない。
この先も もう会うことは無いだろう。
これでいいのだ。
実の母から散々な目に遭って、それでも母の愛とは、とか、あなたは親になった経験がないから親の愛がわからないのだ、
などと押し付けてくる世間など、気にしなくていい。
子の愛のほうが偉大な場合が多々ある。
やばい人とはソッコク離れたほうがいい。家族でも。
時間が経って、会いたくなったら会えばいい。
会いたいという気が起こらなければ一生会わなければよい。
それだけのこと。
それでいいのだ。
結論づけると
母の存在はこの世で最も尊く美しい。
その母がなんであろうと、どうであろうと、愛がなかろうと、
最終的に子を、無限の愛に気づかせるから。
その役目を母はしてくれた。
もしあなたの親が毒親であると断言するのなら、
あなたの親は悪役を引き受けたのだ。
あなたを永遠の無限の愛に気づかせるため、
あなたの魂を鍛え上げるため。
子は、そうまで言い切ってしまう程に、母親を愛するものなんだね。